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宝石の原石は、30億年〜数千万年前に自然の力が創ったものです。その生成から気の遠くなるような長い年月の間に、地殻変動によって、地表近くに偶然運ばれた原石が採掘されるのです。
そして研磨が施され、ほんのわずかな確率で一握りの美しい宝石が誕生するのです。そして美しい宝石は、数十年のサイクルで人から人へと受け継がれていきます。こうした時間と空間と偶然から生まれた美しいものだからこそ、宝石は人類に尊ばれ5000年以上も前から富や権力の象徴になり得たのです。
一般的に人を美しく飾るために加工した鉱物のことを「宝石」といいます。
地球上には3000種以上の鉱物が存在し、そのうち宝石として使われるのは「約50種」です。その宝石の持つ稀少性、美しさ、硬さ、耐久性も加味されて、宝石の価値が認められてきました。
宝石は、全く同じものが二つとしてこの世に存在しません。そこで、宝石のことを少し詳しく見ていきましょう。 |
鉱石のほとんどが結晶(クリスタル)です。
結晶というのはそれをつくっている構成原子が規則正しく並んでいる個体のことをいい、固体の中には原子が規則正しく並んでいないものもあります。それらを非晶質と呼ばれます。
液体や気体の中では原子は規則正しく並んでいないので、非晶質の固体は固体ではあるが、中の骨組みは液体と似ていることになります。 |
| ダイアモンドが地球上で一番硬い物質なのは、ダイアモンドの結晶をつくる炭素原子が相互に固く結びついているからです。固体の固さは、、その中での原子間の結びつきが、どの程度強いかによって決まります。天然の鉱石の中から1番から10番まで番号に分けしたのをモース硬度といいます。 |
| 硬度(度) |
宝石・鉱物名 |
| 10 |
ダイヤモンド |
| 9 |
コランダム(ルビー・サファイア) |
| 8.5 |
アレキサンドライト・キャッツアイ |
| 8 |
黄玉(トパーズ) |
| 7.5 |
ガーネット・トルマリン |
| 7 |
水晶・石英(クォーツ) |
| 6.5 |
タンザナイト・ペリドット・ネフライト |
| 6 |
長石(オーソクレース) |
| 5.5 |
ラピスラズリ |
| 5 |
燐炭石(アパタイト) |
| 4 |
ほたる石(フルオライト) |
| 3 |
方解石(カルサイト) |
| 2 |
石膏(ジプサイト) |
| 1 |
滑石(タルク) |
| 鉱物には、それぞれの結晶構造に由来して決まっている性質で、一定の方向に割れやすい性質をへき開と呼びます。 |
結晶の中に光が入ると、結晶の中の原子の並びによって、光の方向性が変わります。これを光の屈折と呼びます。
光線の曲がる程度のことを屈折率といい、屈折率は宝石を鑑別する上で、大切なよりどころです。屈折率が大きいと反射率が高くなり、輝きが強く、光沢が良くなります。 |
| 宝石名 |
屈折率 |
| ダイヤモンド |
2.417 |
| ルビー・サファイア |
1.762〜1.770 |
| アレキサンドライト・キャッツアイ |
1.746〜1.755 |
| ガーネット |
1.740〜1.888 |
| タンザナイト |
1.691〜1.770 |
| ペリドット |
1.654〜1.690 |
| エメラルド・アクアマリン |
1.575〜1.582 |
| アメシスト・シトリン |
1.544〜1.553 |
| ラピスラズリ |
1.50 |
| オパール |
1.37〜1.47 |
人間が目で感知できる光を可視光線といいます。結晶(宝石)に可視光線が入ると、なにも起こらなければその色は無色透明に見えます。
コランダムは、純粋なときには無色ですが、ごく微量にクロムを含むと赤いルビー、鉄とチタンを含むと青いサファイアになり、緑柱石にクロムが含まれると、美しいエメラルドになるんですよ(^^)。 |
宝石の大部分は、鉱物の結晶です。これらの結晶は、地球上のどこかにあるとき一瞬にしてできたものではありません。すべてが順調に成長したものではなく、多くのものが他とぶつかったり、他を取り込んだりしながら育ちます。
こうして結晶の中に取り込まれた別の鉱物や液体、気体をインクルージョン「包有物(インクルージョン)」といい、結晶の育った環境条件を反映しています。
天然石の中には、色つやが良く、傷(包有物)も少なく、カットするだけで宝石として使えるものがあります。その種のものを、天然宝石といいます。 |
エンハンスメントは、基本的に天然石自体が、潜在的にもっている特性を引き出す為に、行われます。自然界でも実際に起こりうる状態を故意に施し、主に加熱・含浸・充填等を行うことにより、石本来の美しさを、より引き出す処理を言います。
代表的なエンハンスメントは、ルビーやサファイヤが有名で、加熱によってより美しい色に見えるように処理が行われています。一般的には流通している殆どの「宝石」はエンハンスメント処理されています。また貴石でもシトリンなどはエンハンスメントされているのが普通です。
トリートメントに比べると、エンハンスメントは、ナチュラルか処理が施されているのかの区別が、極めてつけにくい場合が多く、信頼の置ける鑑別機関でも鑑別書には「○○○は一般的にエンハンスメントされています。」などの但し書きがつくようになりました。
エンハンスメントは人工処理の一種ですが、宝石業界でも、世界的に広く認知されており、「天然石」として取引されています。 |
トリートメントは石の性質にかかわらず、主に着色・コーティング・表面拡散・放射線照射などによって石の色や外観をかえたものをいいます。
代表的なトリートメントとしては、放射線照射によってブルーカラーに、トリートメントが施された
ダイヤモンドをはじめ、トルコ石やラピスラズリは着色されているものが、一般的に流通されています。
エンハンスメントとの大きな違いは、石自体が持つ美しさを引き出すのではなく、加工して人工的に美しさを造られるところにあります。 |
| 模造石 |
安価な材料で見かけだけを高価な宝石に見せかけている石。 |
| 合成石 |
天然の宝石と科学組成も結晶構造も同じものを用いて、人間がつくった石。 |
| 人造石 |
天然では知られていない素材を用い、レーザーに使う単結晶合成。 |
| 類似石 |
天然、処理、模造、合成、人造にかかわらず、見かけが類似した素材をまとめて類似石といいます。 |
| アステリズム(星彩効果・スター効果) |
三方向に密度高く配列する「シルク」と呼ばれる、微細な針状インクルージョンからの、光の反射により6本の光条が現れる。
代表石:スタールビー、スターサファイア |
| シャトヤンシー(変彩効果) |
平行状組織が一方向に発達した場合には、猫の目のような光条が現れる。
代表石:クリソベリル・キャッツ・アイ
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| チェンジ・オブ・カラー(変色性) |
アレキサンドライト(白熱光下:赤色、自然光下:緑色)に見られ、赤色と青緑色の光を、ほぼ等量透過することによって起こる現象。
代表石:アレキサンドライト |
| プレイ・オブ・カラー(遊色効果) |
電子顕微鏡で やっと確認できるほど小さな珪酸粒子が三次元的に配列する。オパール独特の構造によって生まれる、光の回折と干渉に起因する。
代表石:オパール、ラブラドライト |
| アデュラレッセンス(別名:シラー効果) |
ムーンストーンから観察される特殊効果。
アデュラレッセンスは、オーソクレイズとアルバイトからなる層状構造に起因する光の散乱であり、薄層であればレイリー散乱となりブルー、なければミー散乱となり白色を呈す。
代表石:ムーンストーン |
| ファセット・カット |
透明カラーストーンに多く、色の美しさに加えて、表面光沢そして内部からの高い輝きを得るために、角度の異なる小さな面を多数つけたファセット・カットが施されます。 |
| カボション・カット |
半透明、不透明の宝石では内部からの輝きは期待することできず、主として表面のツヤ、色の美しさ、そして量感を強調する、カーブしたドームで構成されるカボション・カットが施されます。 |
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